聞きたかったメンタルヘルスの話 vol.23
このコラムは筆者が以前某医療コラムで連載していた修正前の記事本文です。内容は作成当時のもので、現在は異なることもありますので、ご了承下さい。あくまでアーカイブとしてご覧ください。
こころの不調になったとき、どこの精神科病院にいけばいいか迷いますよね。そんなとき、どうやって探し選んだらいいか、また初診の時に何を伝えたらいいかお話ししたいと思います。
こころの不調を診てもらうには、病院の精神科やメンタルクリニック、心療内科などがあります。入院施設のある大きな病院や街中にある小さなクリニックもあります。心療内科は精神疾患とそれに伴う内科的なことも診てもらえます。精神科は精神疾患に特化している感じでしょうか。初診に関して言えば、精神科でも心療内科でもどちらでも問題はないと思います。では、どうやって探したらいいか。それは第一に「行きやすさ」です。
僕が初めてメンタルクリニックを探したときは住んでいるところと勤務先の途中駅で探しました。職場からも家からも通いやすくするためです。定期券もありましたから、余計な交通費もかからず済みました。あとは、どんなに体調が悪い時でも行ける距離であることです。こころの不調はネガティブな感情に占拠されてしまいがちです。「だるい」「行くのが面倒くさい」と思っている時こそ、医師に診てもらわなければいけないので、通いやすいところにある病院選びは大事です。
また、人目を気にされる方もいらっしゃるかもしれませんが、選択肢があれば入りやすい病院を選ぶこともできますね。ただ精神科を受診することは恥ずかしいことではありません。
クリニックのような小さなところでも医師が1人とは限らず、数人で診療をおこなっているところもあります。医師を選べる、相性が悪かった時にDr.を変えやすいという点では医師が数名いるところがいいかもしれません。病院によっては得意とする病気があるところもありますが、一度電話をしてみて様子をうかがうのもいいかもしれません。ホームページを開設している病院も多数あります。医師の写真付きの紹介や方針も書かれているので参考にされてみてはいかがでしょう。
精神科を受診するにあたって心構えとしては、「とても待たされる」ということです。混んでいる病院は精神科に限りませんが、患者数が多いので薬を処方されて”解放”されるまで1~3時間かかると思っていてください。狭い待合室で待つのも苦痛になることがありますから、病院の近くで多少時間つぶしができたら気が紛れます。近所に喫茶店やドーナッツショップなどあると助かります。外に出れなくても時間つぶしになるアイテムがあるといいと思います。本やスマホ、ゲーム機などでしょうか。
また初診では問診に時間をかけます。どんな症状で困っているのか、それはいつ頃からなのか。ただそれだけでなく、普段から飲んでる薬ばあればその薬のわかるものや、疲れが出た時に出る症状、こころの不調とは関係ないと思っていても気になっていることがあればそれも話せる準備をしてください。病歴やアレルギーなどの体質も説明できるといいでしょう。診断は患者さんの話で決まります。これまでの様子の変化などすべて話しましょう。伝えたいことの言い忘れがないよう、メモをしておくことも有効的です。また、「こんなに長く話したら待ってる人が…」とやさしい心配をされることもあるかもしれませんが、それは無用です。
受診される場合、自分は「もしかしたら〇〇病かも…」と病名をイメージしていることもありますが、そういう心配があるんですと伝えたら、決めつけるのはやめましょう。しっかり起きている症状を伝えてください。
そして医師から病気の説明があると思います。処方箋を出されると思いますが、「お薬を出しておきますね。」で終わってしまう場合もありますので、その際薬の副作用やどのように過ごすのがいいかも聞いておきましょう。薬剤師からも説明や質問があると思いますが、何か思い出したことがあれば言ってみましょう。
初診時の費用ですが、3,000円から5,000円かもう少しかかるくらいに心積もりしておいたほうがいいでしょう。(健康保険適用時)初診料がかかるので高めになってしまいます。検査などがあるかないかで上下します。薬の種類や何日分かによっても変わります。再診時は3,000円くらいでしょうか。もちろん処方などにより個人差が出てきますのであくまで目安です。また通院を重ね、「自立支援医療(精神通院医療)」の公費負担制度を利用できるようになれば、治療費も負担が減らせるので、医療費が心配の場合ご利用いただければと思います。
初めて精神科を受診するのは、とまどいや不安もあるかと思いますが、それも含めてDr.に話して診てもらってください。
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