セルフケア

聞きたかったメンタルヘルスの話 vol.20

このコラムは筆者が以前某医療コラムで連載していた修正前の記事本文です。内容は作成当時のもので、現在は異なることもありますので、ご了承下さい。あくまでアーカイブとしてご覧ください。

 自分の体調は今、どんな感じでしょうか?自分のココロはどんな感じでしょうか?自分のことを知ることは意外にできていないものです。ココロやカラダのバランスや乱れやストレスを知ることはメンタルヘルスにおいても大事なことです。わかりやすく、セルフケアについてお話ししたいと思います。

まずは「今の自分」を知ること

今、何が考えや気持ちを支配していますか?今、カラダは何を欲していますか?自分を見つめてみましょう。と言っても、何から始めればいいかわかりませんよね。

 まずは安全な場所(誰にも妨害されない場所)、無音で過ごせるところで楽な姿勢になりましょう。そして目を閉じて、呼吸に意識を向けましょう。胸で呼吸していますか?お腹で呼吸していますか?そんな時にまず浮かぶのは何ですか?どんな気持ちですか?どこか痛みますか?素になった時に何があなたを包んでいるでしょうか?それを知ることが第一歩です。

自分の気持ちは?

自分のココロを取り出して外から見つめることはできません。でも、先ほどのように自分をシンプルな状態にもっていくことで、どんな気持ちでいるかは少しずつわかっていきます。でも、そのことに慣れていない方は、混乱したり体調を崩すので、時間をかけすぎることはやめましょう。少しずつ、自分の気持ちを確かめましょう。人の感情で先に出やすいのは「怒り」「嫌い(⇆好き過ぎ)」などでその感情に支配されやすいです。不安感や不快感というものは表に出やすい状態です。なんで不安か、なんで不快かまではわからないかもしれませんが、「あぁ自分は今苛立ってる」などと把握することから始めましょう。思い通りにならないことも人を苦しめます。ストレスを抱えたりしていませんか。

自分の周りにあるものは?

あなたの周りにあるものは何でしょう。周りにいる人はどんな人でしょう。暮らしや生活に出てくる登場人物を書き出してみましょう。そして、その人はあなたの味方ですか?その逆ですか?好きですか?嫌いですか?頼りになりますか?ストレスになっていますか?少し整理してみましょう。意外といろんな人に支えられて生きているものです。

その原因はなんでしょう?

先ほど気持ちを振り返った時、自分をその気持ちにさせているのはなんでしょう?もし自分を見つめることに慣れてきたら、落ち着いて振り返ってみましょう。もし振り返ることでイライラ感が増したり感情が高ぶってしまう場合は、氣分転換を図り、見つめる先をテレビを見ることや、誰かと話すことで気をそらせましょう。また1人で振り返ることが難しければ、相談電話やカウンセリングなど信頼できる相手がいる状況下で自分を見つめましょう。もし振り返ることができれば、それがどうして起きているか、少し考えてみましょう。

カラダはどうですか?

カラダの状態はいかがですか?便秘であったり、どこかに痛みがあったり気にかかることはないですか?頭痛が拭えなかったりしませんか?汗はかけていますか?カラダは冷えたりしていませんか?カラダのバランスなどはいかがですか?取りにくい姿勢などはないですか?些細なことで人の気分は左右されます。カラダの問題を解決することで気持ちがラクになることもたくさんあります。また自分のカラダを知るには健康診断を受けてみましょう。

困っていることを言葉にしていますか?

気持ちやその原因が見えて、その困りようは言葉として口で発せていますか?言葉にできているかいないかでそれを抱える負担は変わっていきます。また問題の解決のスタートは言葉にできているかどうかです。言葉にしない美徳などもありますが、そのことで気が落ち込んだり不安になるのであれば、思い切って口にしてみましょう。直接的に言えない場合もありますので、相談電話やカウンセリングなどで「こんなことで困っている!」と言えるだけでも、自分に変化があります。

思いを口にした後の自分の変化に気づく

自分の困りごとを言葉にしてみた後、いかがですか?少しすっきりしたとか、言ってみたらそんな大したことでもなかったなどあるかと思います。また周りに変化はありましたか?その気持ちや周りの変化にまた目を向けてください。そしてその自分にしてあげられることは何かありませんか?

疲れを取るために休みをしっかりとる、お風呂にしっかり入る、気分によって聴く音楽を意識的に変える、美味しいものを食べる、医者に相談する、専門相談員に相談する、などなど。

対処策

それではもう少し、簡単にできる対処策の例をいくつか挙げます。カラオケで好きな歌を歌う、軽くストレッチをする、スポーツする、サウナや岩盤浴をする、散策する、友達と美味しいものを食べながら話す、お笑い番組を見るなどです。陥りやすい対処策としてアルコールとタバコがあります。一時的なものは効果がある場合もありますが、慣習になってしまうと健康にも被害があるので対処策としてはお勧めできません。

自分でできること、できないこと

自分が自分にしてあげられることには限界があります。眠れない、気分の落ち込みが止まらないなどお薬や医療のチカラを借りなければいけない場合もあります。借金やトラブル、ハラスメントなど法的なチカラを借りなければいけないものもあります。その場合は、ちゃんと人に頼りましょう。何かしら解決策はあるものです。日頃から自分にできることを重ねていくことは大事ですが、自分だけで何とかしようともしないでください。

自分を見るチカラがついてくると

自分を見つめることができてくると、自分の中に目盛りのような基準ができてきます。「あぁ今気持ちが楽だなぁ」「今はちょっと落ち込んでなぁ」と変化に気づき、「疲れているから、考えすぎるのはやめて、早く寝よう」「焦りすぎているから、気を落ちかせよう」などと自分で対処できるようになります。また目盛りができても対処策が見当たらない場合は相談機関など有効に使いましょう。

セルフケア

このように自分の調子や状態を把握し適切に対処やメンテナンスしていくことをセルフケアと言います。これができることで問題が深刻化することを防ぐことができます。メンタルヘルスにおいてもカラダにおいても無理をすることなく、解決へ自ら行動できるようになります。セルフケアと友人や家族からのケア、専門的なケアをうまく使い、ココロとカラダのバランスを取っていきましょう。

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